2023年3Q決算まとめ(三菱UFJ・三井住友FG・ジャックス・武田薬品)

今回は、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャルグループ、ジャックス、武田薬品工業の第3Qの決算情報を解説していきます。

いずれも高配当株として人気が高く、決算情報は注目を集めているため、しっかりと確認しておきましょう。

割安感や配当利回りを把握し、投資判断を下す際の参考にしてみてください。

目次

三井住友フィナンシャルグループ

まずは、三井住友フィナンシャルグループから解説していきます。

三井住友フィナンシャルグループの2023年3月期3Q決算

三井住友フィナンシャルグループ(証券コード8316)の2023年3月期3Q決算は、下記のように発表されています。

2022年12月期における第3四半期の連結経常収益は4兆3802億円で前期比46.22%増
経常利益は19.05%増の1兆326億円で着地
連結純利益は前年同期比22.6%増の7660億2100万円で同期として過去最高
親会社株主純利益99%の進捗
期末の配当を115円と予想とし、年間の配当予想は230円となる見込み

かなり順調な決算となっています。

メガバンクの中でも収益力が高い強みがあり、様々な金融部門で着実に収益を上げることができています。

SMBC日興証券は相場操縦事件の影響から赤字となり、資産運用ビジネスも苦戦しました。

しかし、クレジットカード買物手数料や国内ホールセールの非金利収入、海外預貸金収益は好調に推移しました。

また、日銀の「実質上の利上げ」に伴って利ざやが上がり、収益力アップが期待されて株価が大きく上昇しました。

出展:バフェットコード
  • 現在のPER:9.4
  • 現在のPBR:0.6
  • 現在の配当利回り:4.2%
  • 現在の株価:5,600円近辺

となっていることから、「新規の買い増しはしづらい」という状況です。

なお、ロシアでの航空機リースで2022年3月期に470億円の機体減損を行ったものの、今後の状況変化が生じた際には最大で4億6000万ドルの追加減損が発生する可能性があります。

決算は好調ですが、リスク要因が全くないわけではない点には留意しましょう。

三井住友フィナンシャルグループの配当還元方針

三井住友フィナンシャルグループは、「配当を基本に、機動的な自己株取得も実施」して株主還元を行っています。

配当は「累進的」を採用しており、長期的に安心して保有できる強みがあります。

毎年コツコツと配当金をもらいたい方にとって、非常に魅力的な銘柄と評価できます。

とはいえ、現在の割安感を見ると「ちょっと手が出しづらい」状況です。

ポートフォリオへの追加や新規買い増しを検討している方は、しっかりと日銀の政策や世界情勢などのニュースをチェックして、株価を追うと良いでしょう。

三菱UFJフィナンシャルグループ

続いて、三菱UFJフィナンシャルグループの情報を見ていきましょう。

三菱UFJフィナンシャルグループの2023年3月期3Q決算

三菱UFJフィナンシャルグループ(証券コード8306)の2023年3月期3Q決算は、下記のように発表されています。

23年3月期第3四半期累計(4-12月)の業務利益は前年同期比から4484億円増加の1兆3815億円
連結経常利益は前年同期比39.1%減の8489億円
通期目標に対する進捗率は92%

一見すると芳しくない決算になっています。

しかし、MUB株式の譲渡契約の締結に伴って会計処理関係の問題で特別損失が発生し、最終的な決算時に戻り入れになることから、そこまで不安に感じる必要はありません。

三菱UFJフィナンシャルグループも高い収益力を誇っていることに加えて、日銀の利上げの影響で株価が大きく上昇しました。

出展:バフェットコード
  • 現在のPER:10.5%
  • 現在のPBR:0.7%
  • 現在の配当利回り:3.5%
  • 現在の株価:900円近辺

となっており、三井住友フィナンシャルグループと同様に、株価が急騰してしまったことから「今は手が出せない」状況と言えるでしょう。

今後の日銀総裁人事や政府の政策などをチェックしつつ、購入のタイミングを探っていきましょう。

三菱UFJフィナンシャルグループの配当還元方針

三菱UFJフィナンシャルグループでは、「資本の健全性や成長のための投資との最適バランスを検討した上で、 配当を基本として株主還元の充実に努める」ことを掲げています。

配当金の安定的・持続的な増加と、2023年度までに配当性向40%への累進的な引き上げを目指しており、株主還元に対してはかなり積極的です。

また、業績・資本の状況、成長投資の機会などを勘案した上で自社株買いも機動的に実施する方針を掲げている点も好印象です。

ジャックス

次は、ジャックスの決算や財務データを解説していきます。

ジャックスの2023年3月期3Q決算

ジャックス(証券コード8584)の2023年3月期3Q決算は、下記のように発表されています。

2022年12月期における第3四半期の連結営業収益は1294億4300万円で前期比5.35%増
経常利益は18.24%増の262億9600万円で着地
売上高営業利益率は前年同期の17.99%から20.25%と改善
通期業績を営業収益1715億円、経常利益305億円と予想し、第3四半期までの経常利益の進捗率は86.22%
純利益は前期比11.9%増の205億円を見込む
期末の配当を90円と予想し、年間の配当予想は185円の見込み

ジャックスはクレジット事業、カード・ペイメント事業、ファイナンス事業、海外事業を手掛けていますが、

  • 取扱高の増加
  • 割賦利益繰延残高と信用保証残高の積み上げ

などの影響で、好調な決算となっています。

上方修正はなかったものの、営業利益率が20%を超えるなど、収益力の高さが際立っています。

株主還元も積極的に行っている点が魅力なので、長期保有に適した優良銘柄です。

出展:バフェットコード
  • 現在のPER:6.8%
  • 現在のPBR:0.7%
  • 現在の配当利回り:4.5%
  • 現在の株価:4,100円近辺

今後の利上げ局面においては、利ざや収入による収益力向上が見込まれるため、日銀の姿勢にも注目すると良いでしょう。

現状、「今は手を出しづらい」という評価です。

ジャックスの配当還元方針

ジャックスは、「安定的な配当の継続及び業績等を総合的に勘案のうえ、配当に行うことを基本方針」として掲げています。

連続増配は5年に留まりますが、一度の減配していない実績から、「無理のない範囲で株主還元を行う」姿勢が見て取れます。

配当性向も30%程度と安定しており、かなり余力がある状態です。「もっと株主還元してほしい」というのが正直なところですが、今後株主還元を積極的に行ってくれることを期待しましょう。

武田薬品工業

続いて、武田薬品工業について解説していきます。

武田薬品工業の2023年3月期中間決算

武田薬品工業(証券コード4502)の2023年3月期中間決算は、下記のように発表されています。

2022年12月期における第3四半期の連結売上収益は3兆713億円で前期比13.93%増
当期利益は18.42%増の2858億8300万円で着地
売上高営業利益率は前年同期の17.16%から13.09%と悪化
通期業績を売上収益3兆9300億円、親会社の所有者に帰属する当期利益3070億円と予想し、第3四半期までの親会社の所有 者に帰属する当期利益の進捗率は93.12%
期末の配当を90円と予想し、年間の配当予想は前期と同じ180円の見込み

円安効果もあり、主力の米国市場などで円換算の収益が膨らんだことで好調な決算となりました、

また、潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」などの主力品の売れ行きが好調で、前年同期比よりも連結売上収益が伸びていることがわかります。

医薬品業界は「特許リスク」がある点に留意する必要がありますが、現状はそこまで不安視する必要はなさそうです。

出展:バフェットコード
  • 現在のPER:20.5%
  • 現在のPBR:1.0%
  • 現在の配当利回り:4.3%
  • 現在の株価:4,200円近辺

株価は上昇しており、「今は買い時ではない」という印象です。

今後、下落局面が来たタイミングで割安で仕込みたい銘柄と言えるでしょう。

武田薬品の配当還元方針

武田薬品は、「1株当たり年間配当金180円の確立した配当方針」を維持しています。

また、資本効率の向上と株主還元の拡充のため、適切なタイミングで自己株式の取得を行うことも公表しています。

武田薬品は安定した配当金を出してくれる魅力がありますが、配当性向が高くなりがちなデメリットがあります。

2022年3月期の配当性向は122%と、年度内に稼いだ利益以上の配当を出しているので、常に「配当余力」「配当性向」を注視することが重要です。

まとめ

三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャルグループ、ジャックス、武田薬品工業の第3Qの決算情報や財務データについて解説してきました。

いずれも好調な決算となっており、現在保有している方にとっては嬉しいニュースとなりました。

しかし、好調な決算が発表されると株価が上昇するため、「買い増し」「新規買い付け」が難しくなります。

決算の情報に加えて、株価の動きに注目しながら購入判断を下していきましょう。

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