収入アップを目指す上で、副業は有力な手段の一つとなります。
転職も収入アップを目指すための有力な選択肢にはなりますが、「転職は心理的なハードルが高い」という人も多いでしょう。
しかし、副業であれば本業での仕事を維持しながら、自分のペースで取り組めるので心理的にも取り組みやすいメリットがあります。
本記事では、副業の魅力やメリットについて解説していくので、副業を検討している人は参考にしてください。
今回は文字多めとなっていますがぜひ最後までご覧ください。
副業をしている人の割合はまだまだ少ない
転職サービスである「doda」が2021年8月に行った調査によると、副業をしている人の割合は8.0%という結果でした。
つまり、まだまだ副業をしている人は少数派です。
副業に興味があったとしても、周囲に副業をしている人がいないと「副業なんてやらなくてもいいか」と考えてしまうのは仕方の無いこととも言えます。
「周りがやっていないから」は理由にならない
副業に興味がある人が副業に求めているのは、主に下記の2つでしょう。
・収入アップ
・新たなスキルの習得
いずれも、副業をする上での立派な動機であり、大きなモチベーションになり得ます。
しかし、せっかく副業に持っていたとしても、「周りがやっていないから」という理由で断念してしまうのはもったいないことです。
収入がアップすれば生活が豊かになり、新たなスキルが習得できれば自身の人的資本が高まるメリットがあります。
そのため、副業に少しでも興味があるのであれば、ぜひ副業にトライしてみましょう!
国も副業解禁を後押ししている
以前は「副業をすると本業に支障が出る」という理由から、副業を禁止する企業がスタンダードでした。
しかし、現在では状況が大きく異なります。
厚生労働省のサイトに掲載されている就業規則のサンプルには、副業に関する規定がバッチリ含まれています。
今では、「本業の仕事に支障を及ぼさない範囲で勤務時間外で行う副業を、企業の就業規則が制限すべきでない」というのが行政の基本的な考え方です。
また、岸田首相が進めている「新しい資本主義」においては副業の推進も含まれており、今後は副業人口は増えると予測できます。
その中で、「社員の副業を認めない企業には説明責任」を求めていることから、副業を通じた国民所得の増加を目指していることが分かるでしょう。
つまり、副業を認めない会社は理由を開示するようになることから、企業としてもイメージアップや優秀な人材を確保するためにも、副業を容認する動きが進むと考えられます。
副業のメリット
6月7日に開かれた「新しい資本主義」を検討する会議で使われた資料において、副業によるメリットが下記のように具体的に挙げられています。
・副業を通じて起業すると、失敗の確率が低くなる
・副業をすることで失業の確率が低くなる
・副業を受け入れた企業からは人材不足を解消できた、といった肯定的な声が目立つ
このように、副業をすることで様々なメリットが期待できますが、リアルに実感できるメリットについても見ていきましょう。
なお、こちらで解説する「副業」は、自らが個人事業主として行うものを想定しています。
収入増加・収入源の多角化
副業のメリットと聞いて、真っ先にイメージするのは「経済的なもの」ではないでしょうか。
やはり、本業以外に追加的な収入が得られるのは経済的にも心理的にも嬉しいものです。
普段の生活費を既に本業による収入で賄えている人にとって、副業による収入は「完全に使途事由」なお金になります。
つまり、普段の生活を豊かにする「浪費」に充てたり、資産を増やすための「金融商品への投資」に充てたり、自分の能力を高めるための「自己投資」に充てるのも自由です。
また、もし本業でボーナスカットなどの経済的ダメージが起きたとしても、副業収入があることで家計のダメージを軽減できるメリットがあります。
このように、経済的にゆとりができることで得られるメリットは非常に大きいことは言うまでもありません。
人脈が広がる
せどりなど完全に一人で作業をする副業もありますが、プログラミングやWEBライティングなど、クライアントとのやりとりが発生する副業も多いです。
つまり、副業を通じて社外でのコミュニケーションが生まれるので、自然と人脈が広がるメリットがあります。
本業で作られる人脈や人間関係ももちろん重要ですが、人間関係に幅が生まれなかったり、社外に対しては「会社の看板を背負った自分」という見方をされてしまうのも否定できません。
副業をすることで、本業の仕事だけでは生まれない関係が作ることができます。
「自分」という商品を評価してくれた企業や人と関係を築くことができるのは、大きな財産となるのはもちろん、社会人としての自信にも繋がるでしょう。
スキルが高まる・人的資本が高まる
経団連も「終身雇用は限界を迎えている」と述べている通り、一つの企業でしか通用しないスキルや能力に収入を依存するのはリスクが大きいです。
また、企業に収入や雇用を依存していると、気付かない内に自分のスキルや知識が陳腐化してしまうものです。
自分のスキルや知識が陳腐化してしまうと、人的資本の毀損や社会人としての価値の喪失に繋がってしまうでしょう。
しかし、副業を通じて新しいスキルや知識を習得することで、「できること」が増えるため自身の価値は高まります。
「いつでも、どんな状況になっても稼げる」ということは人的資本が高いということに他ならないので、積極的に学ぶ姿勢を持つことは重要です。
「今の会社が潰れたら、生活できるか不安」という人ほど、副業を行う重要性は高いと言えるでしょう。
セカンドキャリアへの準備
副業を通じて、「自分の強み」「自分が売れる能力・スキル」を再認識できるケースは少なくありません。
例えば、60歳以降に自身でビジネスを始める場合などは一般的に「セカンドキャリア」という括りに含まれますが、副業の形で新しい仕事に関わることでスムーズにセカンドキャリアに接続することができる可能性が高まります。
「60歳以降は自分のペースで、自分の裁量で仕事を進めたい」という人であれば、早い内から副業に着手するメリットは大きいでしょう。
軽い気持ちで始めたセカンドキャリアのビジネスにやりがいを感じて、生涯現役に発展するケースも多いです。
老後の生きがいや経済的な安心を得るという意味でも、セカンドキャリア充実させるメリットは計り知れません。
経営者のマインドが育つ
日本では終身雇用が当たり前だったので、会社に対して「依存」に近い帰属意識を持っている人も少なくありません。
副業を行う場合は「自分」という商品を買ってもらう必要があるので、本業の勤務先のネームバリューに頼ることはできません。
これにより、経営者としてのマインドが育ち、「自分のやるべきこと」「自分が伸ばすべきスキル」「どのようなサービスの需要があるのか」ということを考えながら行動できるようになります。
会社から自立した社会人になることで、自分に自信を持つことができるメリットも期待できます。
いわゆる「働かないおじさん」は勤務先が無くなると生活が破綻してしまう可能性が高いですが、会社から自立して経営者のマインドを持っていれば、年齢に関係なく稼ぐことができます。
つまり、本業の事業リスクに備えるという意味でも、経営者のマインドを意識することは需要なのです。
時間の使い方がうまくなる
副業をするということは、1日8時間程度の本業をこなしながら自分のビジネスをすることです。
また、普段の家事をはじめ、家族構成によっては介護や育児などをしながら副業をする人もいます。
このように、様々な制約の中で副業をすることで、物事の優先順位が付けられるようになり、時間の使い方やマネジメントがうまくなります。
逆に、「1日24時間」という絶対的な真理の中で副業をこなすためには、時間を上手にマネジメントせざるを得ません。
体力や精神力をすり減らしてまで副業に取り組むのは問題ですが、ぜひ副業に取り組む際には「時間の使い方」にも意識を向けてみてください。
おすすめの副業職種は?
「具体的にどのように副業をすれば良いの?」と考えている人も多いでしょう。
フードデリバリーなど自身の肉体を動かす副業もありますが、現在はインターネットの普及に伴って、オンラインで仕事を完結できる仕事が多くあります。
つまり、勤務地や時間の制約が小さい中で副業を実行できる環境が整っているので、本業後に自宅で過ごす時間でも着手できます。
例えば、システム開発やプログラミング、WEBライターなどは「インターネット環境とパソコンさえあればできる」仕事の典型です。
他にも、自身の経験やスキルを活かして先生や講師を務めるなど、自身の持っているスキルや知識に応じて実にさまざまな仕事が可能です。
副業はあくまでも「副」ですから、本業に支障が出ないようにする必要があります。
そのため、移動などの負担をできるだけ軽くして、自宅にいながら取り組めるような職種を選ぶのがおすすめです。(もちろん、運動不足を解消するためにフードデリバリーをしても構いません)
専門知識を生かせる仕事がおすすめ
例えば、FP1級資格や社労士資格を保有しているのであれば、一般的には「金融のプロ」「社会保険のプロ」という目で見られます。
専門知識を有していれば、単価の高い仕事を受注できるようになるので、これまでの知識や経験を生かせるジャンルで副業をするのがおすすめです。
もちろん、資格のように「対外的に分かりやすくアピールできる武器」が無い場合でも、これまでの職歴の中で得られた経験が売れることもあります。
自分では「大したことが無い」と思っていても、一般人からすると「すごいスキル」と思われることもあるので、ぜひ自分の強みを見つけてみてください。
趣味の範疇で稼ぐことも可能
投資ブログの運営やゲーム配信など、自身の趣味を武器にして副業をすることもできます。
近年は「Youtuber」という職業も社会的地位を得るようになりましたが、趣味の範疇で副業ができれば、ストレスを感じることなく稼ぐことが可能です。
「楽しみながらお金を稼げる」と聞くと非常に魅力的ですが、趣味を副業にする場合は相当程度ネタの仕込みが必要になるので注意しましょう。
ニーズがあるのはもちろんですが、長続きできるようなネタのストックが無いと継続は難しい点は知っておいてください。
「副業を育てる」イメージ
実際に、副業成功者の経験談を見ると、「毎月100万円の収益が発生!」などの文言を目にすることもあります。
このような成功のエピソードを見ると、「自分も毎月10万円でもいいから副収入を得たい」と思うのが人間の性です。
しかし、副業を開始していきなり稼げるようになるのは稀で、最初の内は「月に1000円も稼げなかった」というケースはザラにあります。
良いイメージを持っていると、早期に挫折してしまうケースがあるため、「時給換算すると数百円程度」という苦しい時期を経験することを覚悟しておきましょう。
最初は稼ぐことができないのが当たり前なので、序盤は「継続する」ことを意識してみてください。
早期にドロップアウトしないためにも、市場のニーズを把握してトライアンドエラーを重ねながら、コツコツと継続して自身のビジネスを育てる意識を持つことが重要です。
まとめ
副業に取り組んでいる人はまだまだ少数派ですが、手っ取り早く収入を高めるためには有用な手段となります。
インフレや社会保障給付の削減が予測されている以上、「自分のスキルで稼ぐ」ことの重要性は高まっています。
「自分は何ができるのか分からない」「自分に売れるスキルが無い」という人でも、気軽に着手できるのが副業の大きな魅力です。
また、本業での稼ぎを維持しながら取り組めるため、経済的なリスクを抱えることもありません。
国も副業を後押ししている時勢なので、興味がある人は積極的に副業にトライしてみてはいかがでしょうか?
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