今回は、
- SRAホールディングス
- NTT
- KDDI
- 沖縄セルラー
上記4社の最新決算情報や配当還元などの情報を紹介していきます。
いずれも配当利回りが高く収益性が高い魅力があるため、ポートフォリオへの追加や買い増しを検討している方は参考にしてみてください。
SRAホールディングス
まずは、SRAホールディングス(証券コード3817)の最新決算情報や配当還元政策等を紹介していきます。
SRAホールディングスの2023年3月第3Q決算
SRAホールディングスの2023年3月第3Q決算は、下記のように発表されています。
増配はなかったものの、かなり好調な決算となりました。
開発事業、運用・構築事業、販売事業のすべてが堅調に推移し、企業利益を押し上げる結果となりました。
情報サービス産業は堅調に推移していますが、原材料価格の高騰や海外景気が下振れして国内に影響するリスクなど、企業の投資意欲が鈍化するリスクには留意しましょう。
- 現在のPER:11.3倍
- 現在のPRB:1.3倍
- 現在の配当利回り:4.3%
- 現在の株価:3,000円近辺
現状は「やや割安感を感じられる」という水準です。
配当利回りは安定して4%台で推移委している企業なので、現在の利回りは高いわけでも低いわけでもありません。
しかし、PERとPRBに関しては、過去の水準からしても割安感を感じられるため、「十分に購入を検討する価値がある」と評価しています。
SRAホールディングスの配当還元方針
SRAホールディングスの配当還元方針は、下記のように掲げられています。
- 配当性向50%を目処に、安定的な高配当を目指す
- 株主資本の効率的活用の指標である ROEを継続的に10%以上確保する
一般的に、継続的にROEが10%を超えると財務基盤がどんどん強固になっていきます。財務基盤が強固になれば安定した配当が可能となるため、長期保有で配当を狙っている方と好相性といえるでしょう。
また、SRAホールディングスは外貨建て資産や投資有価証券は為替相場や株式相場などの評価損益は「未実現損益」として、当原資には馴染まないものと考えています。
そのため、未実現損益が原因で親会社株主に帰属する当期純利益が変動する場合は、当期純利益から「未実現損益」等を控除して配当性向が50%となるように配当を決定する方針です。
NTT
続いて、通信業大手のNTT(証券コード9432)について解説していきます。
NTTの2023年3月第3Q決算
NTTの2023年3月第3Q決算は、下記のように発表されています。
NTT東西を中心に電気代負担が約450億円増えたものの、システム開発やデータセンター事業は好調に推移しました。
2023年3月期通期の業績見通しは従来予想を据え置いたことから、「悪くはない」といえるでしょう。
なお、配当金は前年度と同額になる見通しです。
- 現在のPER:11.2倍
- 現在のPRB:1.6倍
- 現在の配当利回り:3.0倍
- 現在の株価:4,000円近辺
現状、「割安でも割高でもない」という状況です。
株価は3.500~4,000円近辺で推移していることから、現状は手を出しづらい状況となっています。
PERとPBRも過去の平均的な数値とほぼ同じなので、当面は様子見をるスタンスが無難と判断します。
NTTの配当還元方針
NTTは「継続的な増配の実施」を基本的な考えとしており、配当金だけでなく自己株式取得についても機動的に実施しています。
EPSは、2023年度に「370円」という目標を掲げており企業財務基盤を強化しつつ利益成長に向けて取り組むこととしています。
実際に、NTTは過去10年以上にわたって連続増配を続けており、自己株式取得も過去10年毎年実施していることから、株主還元に積極的な企業と評価できるでしょう。
配当金は2003年度と比較すると9.6倍まで拡大しており、2022年9月までの自己株式取得の総額は約5.1兆円にものぼります。
今後も積極的な株主還元が期待できる優良企業といえるでしょう。
KDDI
次も、通信業大手のKDDI(証券コード9433)に関する情報を紹介していきます。
KDDIの2023年3月第3Q決算
KDDIの2023年3月第3Q決算は、下記のように発表されています。
2022年7月に発生した大規模通信障害による返金や対応費用や燃料高騰などが減益要因になり、増収減益となりました。
連結売上高は前年同期比プラスとなっており、収益性の高さに関しては申し分ありません。
2023年3月期は21期連続増配となる前期比10円増の135円の予定となっており、連続増配企業としても有名です。
- 現在のPER:12.8倍
- 現在のPRB:1.7倍
- 現在の配当利回り:3.3%
- 現在の株価:4,000円近辺
現在の状況は、やや割高となっています。
PERやPBRは過去の水準から比較してやや高く、配当利回りも3%台前半です。
コロナ前の配当利回りは4%を超えていたことを考えると、今は手を出しづらい状況です。
KDDIの配当還元方針
KDDIは持続的な成長に向けた成長投資 (1株当たり当期利益 6年後1.5倍) や株主還元強化 (配当性向40%超、機動的な自己株式取得) を強化していくことを掲げています。
高い収益力を有していながら、配当性向40%程度という無理のない水準で還元を行っていることから、今後も安定した配当が期待できるでしょう。
中期経営計画においても、持続的な成長に向けて「成長投資と株主還元を引き続き強化」することが明記されています。
金融を除く営業キャッシュフローは中期で5兆円規模を目指し、生み出した営業キャッシュフローは5G・注力領域(DXなど)への設備投資と戦略的事業投資に優先して配分することが予定されています。
トータル2兆円規模で投資を実施し、株主還元については配当と自己株式取得で中期1.5兆円規模で実施することが見込まれています。
沖縄セルラー
最後は、沖縄セルラー(証券コード9436)に関する情報を紹介していきます。
沖縄セルラーの2023年3月第3Q決算
沖縄セルラーの2023年3月第3Q決算は、下記のように発表されています。
4〜12月期としては5年ぶりの減益となり、配当は前年と同じ予想となっています。
世界的な燃料高と円安の影響で「auでんき」のコスト上昇が響いて利益が圧迫されたものの、経常利益の進捗率をみると「そこまで悪くはない決算」と言えるでしょう。
2023年3月期の見通しは営業収益を当初予想から30億円上振れすると見込んでおり、収益力の高さがわかる決算となりました。
- 現在のPER:15.6倍
- 現在のPRB:1.7倍
- 現在の配当利回り:2.7%
- 現在の株価:3,200円近辺
現状はかなり割高な状況となっています。
株価は上昇トレンドにあり、株価の上昇に伴って配当利回りが低下しています。
PERとPBRともに割高感を感じられるため、当面は様子を見るスタンスが無難と判断します。
沖縄セルラーの配当還元方針
沖縄セルラーの配当還元方針は「今後の事業展開に備えるための内部留保や財務体質の強化を勘案しつつ、配当の充実化を図る」こととなっています。
2024年度にはEPS228円(21年度比+15%)を目指し、戦略投資増配や機動的な自己株式取得を実施する方針も示しています。
沖縄セルラーも2022年までは20期連続で増配を達成していた優良企業なので、財務の安定感と収益力の高さは折り紙付きです。
今回で連続増配は途絶える見込みとなっていますが、積極的に株主還元を行ってくれる優良企業であることに変わりはありません。
まとめ
今回は、
- SRAホールディングス
- NTT
- KDDI
- 沖縄セルラー
上記4社の最新決算情報や株主還元に関する情報をお伝えしてきました。
現在の配当利回りやPERなどを見る限り、割高感を感じられる銘柄が多く「今は手を出しづらい」という印象が強いです。
世界経済の減速が懸念されていますが、連れ安状況になったら購入を検討すると良いでしょう。
自身のリスク許容度などを鑑みつつ、最適な投資判断を下していきましょう。
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