若手社会人におすすめのお金の習慣

日本では金融教育が行われる機会がほとんどなく、社会保険制度やお金の管理法などを学ばずに社会人になる人も少なくありません。

しかし、人生を送る上でお金に関する問題は常につきまとうので、若い内からお金に関する知識を深めて、お金に振り回されないようにすることは非常に重要です。

特に、社会人と学生時代ではお金の使い方も大きく異なることから、学生時代と同じようなお金の使い方をしていると健全な家計管理ができなくなる恐れがあります。
今回は、若手社会人におすすめのお金の習慣や、資産を守るためのコツなどを解説していきます。

目次

貯蓄習慣を身につけよう

長年に渡って読み続けられている「バビロンの大富豪の教え」においても、「収入の10分の1を貯蓄せよ」という文言があります。

つまり、貯蓄を習慣化することは、いつの時代も非常に重要であるということです。

実際に、リボ払いなどの借金に追われている人は貯蓄習慣が無く、「宵越しの金は持たない」という生活を送っている人が多いです。

つまり、貯蓄する習慣を身につけることは資産を形成する上で非常に重要であり、若手の内から貯蓄習慣を身につけておけば、将来的にお金に困る可能性をグッと減らせることになります。

例えば、会社によって利用できるか否かは異なりますが、「財形貯蓄」制度を活用すれば強制的に貯蓄をすることができるので、真っ先に利用を検討するべきでしょう。

もし勤務先に財形貯蓄の制度が無い場合は、金融機関が行っている「積立貯蓄」などのサービスを活用して、オートマチックに貯蓄できるようにしましょう。

貯金が苦手な人は「お金が余ったら貯金する」という心持ちの人が多いですが、実際には貯蓄に回せるお金が残らずに終わってしまうのがオチです。

そのため、給料が入ったら強制的に貯蓄し、「余ったお金で生活費や遊興費をまかなう」という生活スタイルを確立してみてください。

自己投資の重要性

貯蓄する習慣が確立できれば、当然ですが毎月コツコツと貯金残高が積み上がります。

貯金の残高が増えていく様子を見るのはうれしいものですが、「貯蓄する」ことにフルパワーを注ぐのはバランスが悪いです。

そのため、貯蓄習慣ができ、支出をコントロールできるようになったら、自己投資にもお金を振り向けてみてください。

例えば、貯金に意識を向けすぎるあまり、

・職場の飲み会に参加しない
・趣味を持たない
・目先の食費などを切り詰める
・セミナーなどに参加しない

このような生活を送っていると、職場内で良好な人間関係が築けない上に、社内外で人脈を築く機会を失ってしまいます。

時代の流れと共に価値観や働き方は変わるので、一般的にスキルアップや自己投資をしなければビジネススキルは陳腐化してしまいます。

特に、自分自身は数十年にわたって給料や報酬というお金を生み出す資本であることを考えると、自己投資をケチって成長の機会を逃してしまうのはもったいないことです。

人脈を築いたり、新たなスキルや知識を習得できる機会には積極的に参加して、「自分の稼ぐ力を伸ばすことに投資する」点も意識してみてください。

お金をかけて知識と経験を買う

業務に関連した資格取得を目指したり、セミナーに参加するなど、知識と経験を買う方法は様々です。

いずれにしても、重要なのは「若い内から学ぶこと」にあります。

お金の世界では「複利」という概念がありますが、若ければ若いほど実務経験を積める機会に恵まれますから、能力開発にも複利効果が期待できます。

20代の頃に自己投資に回したお金が、最終的に給料や報酬という語りで何十倍にもなって返ってくることもあるので、自己投資を惜しむべきではありません。

例えば、20代の頃に資格を取得するために20万円の支出をしたとしても、資格手当が支給されたり年収アップの転職を達成できれば、「トータルでプラス」になります。

このように、自分投資を通じて自分自身の資本を高める行為は、非常に価値があることなのです。

失敗してもリカバリーできる

若い頃に自己投資を行うべきもう一つの理由に、「若ければリカバリーしやすい」という点が挙げられます。

若手の内はまだまだ社会人経験が少ないので、自分の向き不向きや強みを把握できないのは仕方の無いことです。

しかし、もし新しい知識や経験の獲得に挑戦して、もしそれが自分に合っていなかったとしても、すぐに方針転換すれば良いだけの話です。

自己投資を通じて、自分の向き不向きを把握することも非常に有意義な経験となります。

投資にも挑戦しよう

貯蓄する習慣に加えて、ぜひ投資にもチャレンジしてみることをおすすめします。
銀行に貯蓄していても利率が0.002%程度なのでほとんどお金は増えませんが、投資に回すと年率4〜5%程度のリターンが期待できます。
特に、つみたてNISAは年間40万円までの投資金額を非課税で運用できる非常にお得な制度なので、利用しない手はありません。

投資をすることで経済ニュースに意識が向くようになったり、運用を通じて自分のお金が減ったり増えたりする様子を目の当たりにします。

つまり、投資を通じて金融リテラシーを高めつつ、貴重な投資経験を積むことができるので、投資には単に「リターンを得る」以外のメリットもあります。

いきなり投資にチャレンジするのは心理的にハードルが高いという場合は、「毎月1万円貯蓄していたけど、貯蓄額は5000円にして余った5000円を投資に回す」など、ストレスを感じないように工夫してみてください。

社会保険制度について学ぶ

給与明細の控除欄を見ると、「健康保険料」や「厚生年金保険料」が引かれていることが分かります。

特に気にせずに給与明細を捨ててしまう人は多いですが、給与明細を活用してしっかりと社会保険制度の理解を深めましょう。

社会保険制度に関する理解を深めると、「すでに保障が足りている」ことに気付くことができ、余計な民間保険に加入せずに済みます。

例えば、健康保険であれば診療や処方された薬剤の費用が3割負担になるだけでなく、高額な治療が必要になった際にも負担の上限を設ける高額療養費制度があります。

ざっくりとした計算ですが、「月8万円以上の医療費負担が発生しない」とイメージしておけば問題ありません。

また、健康保険に加入していれば、もし病気や怪我で長期的に休んでしまった際にも「傷病手当金」という経済的な援助を受けられます。

傷病手当金は、最大1年半の期間に渡って「給与の3分の2くらい」がもらえるので、思っている以上に公的な保証範囲が広いことを知っておきましょう。

これらの公的な保険制度や保証を知らずに、余計な民間保険に加入するのは家計を圧迫する要因となります。

民間の保険は「起きる確率は非常に低いが、もし起きてしまうと生活が破綻する」ことに備えるものなので、社会保障制度だけではカバーできない損失に対してだけ加入すれば良いでしょう。

そのため、保険の勧誘を受けても安易に応じないようにして、自分で本当に必要な保険か考えることが重要です。

会社の福利厚生を確認しよう

会社ごとに福利厚生の充実具合は異なるので、しっかりと確認しておきましょう。
先ほど紹介した「高額療養費制度」に関しても、健保組合などによっては健康保険法の規定よりも上限が低く設定されていることもあります。

他にも、下記のような資産形成に関連した福利厚生もあるので、「教えてもらうのを待つ」のではなく、「必要な情報は自分で取りに行く」意識を持ちましょう。

・企業型確定拠出年金のマッチング拠出
・財形貯蓄制度
・社内持株会
・iDeCo
・提携施設、サービスの割引情報

社内持株会では、「本人の拠出額の○%を会社が支援する」という規定があったり、組合員証を持参すれば提携している宿泊施設やレジャー施設で割引が受けられるケースも多々あります。

これらは「知っているか知っていないか」で得するか損するかが分かれる重要なポイントなので、時間を見て勤務先の福利厚生の情報をチェックしてみてください。

とにかく黒字家計を維持する

まとめのような形になりますが、「とにかく黒字家計を維持する」ことを意識しましょう。

若手の頃は一般的に給与の額が低く、満足に貯蓄が増えないこともありますが、「黒字を維持できていれば及第点」と考えてください。

もし慢性的な赤字状態にある場合、ローンなどで生活費を補填することになるので、その後の生活に悪影響を及ぼすのは言うまでもありません。

もしローンやボーナス返済に頼った生活をしていると、失業やボーナスカットという事態に直面したら一気に生活が破綻してしまうでしょう。

普段の収入の中で黒字を維持できれば、生活の中で生じる様々なリスクに対応できるようになるので、精神的にもゆとりが生まれるメリットがあります。家計状態を確認するためには家計簿をつける(紙でもアプリでも構いません)ことが有効なので、「まだ家計簿を付けていない」という人は家計簿を付けながら支出を適正化していきまょう。

まとめ

若手社会人は収入が低いですが、その中で貯蓄する習慣を身につけることができれば、その後の人生においてお金に困るリスクを大きく軽減できます。

単に生活費を切り詰めて黒字を維持するだけで無く、自己投資を通して自分自身の価値や資本を高めることにも意識を向けてみてください。

また、社会保険制度や自社の福利厚生などの関する理解を深めて、自分にとって心地よいお金の貯め方や使い方などを模索していきましょう。

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