化学セクター厳選2社

こんにちは
今回は化学のセクターから2社を選定して紹介していきます。
高配当銘柄への投資においてセクター分散は非常に重要で中小型株をポートフォリオに組み込むことによりバランスをとりながら増配率向上も狙えます。
化学のセクターの購入を検討している人は参考になると思いますので
ぜひ最後までご覧ください。

目次

バルカーとは

同社は、産業機器や通信機器、半導体などあらゆる産業向けに素材製品の製造及び販売をしています。
例えばガスケットなどのシール製品や強化フィルム、断熱材などの製品を取り扱っており交換やメンテナンスなどが定期的に必要なためストック性があり安定的に収益が見込めています。

また、ソフトウェアや情報機器の開発及び販売、それらに関連する電子商取引などインターネットを利用した各種サービスの提供なども行っている会社です。

社名の由来は「Value&Quality」価格と品質を世界中の皆様にお届けするという意味が込め得られています。

出展:バフェットコード

PERは8.1倍
PBRは1.2倍
ミックス指数は9.72

売り上げは右肩上がりに成長しており、利益率は14%と高水準で推移しています。
10年前と比較すると売り上げ利益ともに増加傾向にあるのも評価できるポイントだと思います。
自己資本比率が65%で非常に高く、配当利回り4.4%ROE12%と効率的に収益を上げて内部留保もしっかり確保できており、株主還元もしっかりおこなってくれる会社だと思います。
私は200株保有しています。

続いて株価の推移をみていきましょう。

バルカー株価推移

過去10年間の株価の推移を見てみると、10年前(2013年1月)の株価は1,125円で、2017年1月までの4年間は400円ほどの株価UPで大きく成長はしていませんでした。
しかしそこから2018年8月までは急激に株価が上がり一時3,715円となりましたが、今年に入ってからは2,400円~3,000円の範囲で値動きが安定しています。

バルカーキャッシュフロー推移

出展:https://irbank.net/E01164/cf
出展:https://irbank.net/E01164/cf

期末残高の金額は昨年と比べても、ほとんど同等程度ですが営業キャッシュフローは、4,586百万円から5,227百万円と
691百万円増えています。
要因としては、当期純利益が昨年と比べて2,616百万円増えた影響が大きいです。

また、投資活動によるキャッシュフローは、▲2,323百万円から▲3,695百万円に支出金額が増えています。
これは、昨年には投資有価証券の売却による収入が1,395百万円あったものの今期は0円だったことによる変化になります。

財務活動によるキャッシュフローも投資活動によるキャッシュフローと同じくマイナス金額が▲803百万円から▲1,807百万円と昨年と比べて増えています。

これは、長期借入による収入が減ったことと、子会社株式の取得による支出増が原因です。
長期借り入れの収入が減ったということは、作年と比べて新たに借金をする金額が減ったということになるため、借入金額の減少につながります。

また、子会社株式の取得については、子会社株式の持ち分が少ないと他の株主の意向も無視できない状況となりますが、子会社株式の持ち分を増やすことで親会社が保有する子会社株式の割合が増え、意思決定の迅速化が期待できるようになります。

流動比率

バルカーが公表している過去4年間の流動比率の表がございますが、どの期も安定して200%を超えています。

流動資産の中には棚卸在庫などの換金性の低い資産も含まれていますが、流動比率が200%を超えていれば、短期借入金などの借金を返せない可能性はかなり低くなりますので、安全性は高いと言えるでしょう。

営業CFは毎年プラスになっていて投資CF財務CF共に毎年マイナスとなっているため本業でしっかり利益を出せていて返済や投資にもしっかり資金を充当できていることが読み取れます。
また、流動比率も200%を超えており、自己資本比率が65%と高水準なため財務体質は優秀です。

続いて配当金の推移をみていきましょう。

バルカー配当推移

出展:バフェットコード

2010年~2022年の配当金金額を見てみると、2010年には32.5円だった配当金は直近の2022年には125円と約4倍に上がっています。
今期(2023年)の予想は120円と若干減配の予定ではありますが、一昨年(2021年)95円から昨年(2022年)125円と急激に上がったことを考えればそこまで悪い数値でもないと言えます。

配当性向は40%台とまだ余裕があるように思います。

バルカー経営戦略

出展:株式会社バルカー (valqua.co.jp)
出展:株式会社バルカー (valqua.co.jp)

社名の由来となっている「Value&Quality」の基本理念に加えて、人類の豊かさと地球環境に貢献するため、4つの経営理念を掲げています。

バルカーグループは2027年の創業100周年に向けて、SDGsの全17ゴールのうち、6つを特定して「本業を通じた社会課題の解決」と「経営基盤の強化」「社会貢献活動」の3つの考え方を軸に活動を推進しています。
SDGsに対して私たち個人でできることは限られていますが、SDGsのゴールを意識して取り組んでいる会社に投資をすることで、将来の私たちや子ども世代の生活を持続可能なものにつなげることができるのです。

100周年の記念配当出るといいな

バルカーの将来性

AI・lotの進化によりビジネスモデルが世界的に大きく変化している昨今に対して、バルカーグループは、独自の高度技術を駆使した製品開発に取り組んでいきます。

また、グループの強みを最大限発揮するために、革新的な技術やサービス開発・ノウハウを保有した企業との連携に力を入れていく方針です。

経営戦略の中にも出てきた環境保全やSDGsへの取り組みや配当金の推移、安全性の数値である流動比率の結果などを総合的に考えて、投資対象とするにも、ESG投資先としても、期待ができる会社といえるでしょう。

三井化学とは

同社は、車などの車室空間の快適性を向上させるための部品製作をするモビリティソリューション事業や半導体部材などのICTソリューション事業などの化学技術を利用した事業を行っています。

三井化学グループは「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して、持続的に成長し続けること」を目指しています。

バルカーと比べると自己資本比率は高くありませんが、時価総額6000億を超える大型企業でモビリティ・ヘルスケア・フードパッケージといった分野で生活に直結する分野での事業展開となっています。

出展:バフェットコード

PERは6.3倍
PBRは0.8倍
ミックス指数は5.04倍

2023年の売り上げ予想は高いものの今期までの業績を見てみると成長性はあまり感じられません。
自己資本比率は36%とやや物足りなさを感じます。
営業利益率に関しては6.6%と高いとは言えません。
ただ、配当性向が21%とかなり余裕があります。

続いて株価の推移を見ていきましょう。

三井化学株価推移

バルカーと同じく過去10年の株価推移を見ていきます。

2013年1月の株価は1,175円だったのに対して何度か株価を落としながらも、右肩上がりに上昇しています。2021年6月と9月には、4,075円に到達しておりますが、現在は少し値動きが落ち着き、3,000円台前半を推移しています。

過去2回ほど株価が落ちましたが、その後は右肩上がりに株価が上昇しているのを見ると、三井化学の底力の強さが見て取れます。

化学のセクターは他に東ソーやUBEなど魅力的な銘柄はいくつかありますが、大型でヘルスケアやモビリティ関連を扱っていることや、海外売り上げ比率、現状の株価を考慮して私はこの銘柄の購入を検討していて
購入判断基準は配当利回り4%超えたあたりかなと思っています。

三井化学キャッシュフロー推移

出展:https://irbank.net/E00840/cf
出展:https://irbank.net/E00840/cf

期末残高は昨年と比べると、14,835百万円のマイナスとなっております。一番の要因は投資活動によるキャッシュフロー金額が昨年▲77,555百万円から今期▲205,234百万円に大きく支出金額が増えたことにあります。

内訳を見てみると、子会社の取得による支出や、固定資産取得による支出の増加など様々ですが、その中でも一番の要因は「持分法で会計処理されている投資の取得による支出」が昨年と比べて▲54,366百万円増えたことです。これは子会社が計上した支出金額のうち、親会社が保有する株式の持分割合を掛けた金額のため、子会社の投資金額が多かった影響といえるでしょう。

また、営業キャッシュフローも昨年と比べて81,739百万円マイナス金額が大きくなっています。これは棚卸資産が昨年と比較して108,972百万円の増加したことや、営業債権55,829百万円の増加したことに伴い、現金が減少してることが見て取れます。

財務活動によるキャッシュフローは、昨年比158,178百万円プラスに転じています。

コマーシャルペーパーと借入金の増加によるものです。コマーシャルペーパーとは短期の資金調達手段で、短期社債や約束手形のことになります。

つまり、三井化学は今期大規模な資金調達をしたため、財務活動によるキャッシュフローの金額が大きくプラスに転じたのです。

流動比率

2019年 786,677百万円÷458,758百万円=171%
2020年 781,347百万円÷478,498百万円=163%
2021年 787,572百万円÷466,305百万円=169%
2022年 1,033,445百万円÷706,569百万円=146%

過去4年間の流動比率を見てみると、2019年~2021年までは170%前後で推移していましたが、今期は146%と20%ほど下がってしまっています。これは、大規模な資金調達が行われていた影響が出ていると言えます。(財務活動によるキャッシュフロー参照)

流動比率は一般的に200%を超えていれば安全とされているため、三井化学の安全性は少し低めであるといえるでしょう。

三井化学配当推移

出展:バフェットコード

配当金金額の推移を見てみると、2013年から2021年まで減配することなく、配当金が支払われているのがわかります。2013年当時は15円だった配当金が2021年には120円と8倍に上がっています。

2022年の予定配当金は昨年度と同じく120円を見越しているため、2018年以降は業績が少し伸び悩んでいることが見て取れます。
2023年以降業績向上とともに安定してくれば増配も見込めるのではないかなと思います。

まとめ

今回はバルカーと三井化学の紹介と解説を行いました。

個人的にはどちらも投資対象としては悪くないと思っていますが、私はバルカーを中心に
購入していく方針でいます。
化学のセクターの中でも当然会社ごとに扱っている分野は違いますから複数の企業に分散して
ポートフォリオを作っていくのがいいかなと思います。

旭化成も購入検討銘柄には入っております。
安定的な配当金を出している会社で自己資本比率が高く、減配がない会社でおすすめできる銘柄ですが
配当利回りが3.4%と低く増配率の高さから今回は三井化学をピックアップいたしました。

今後機会があればその他の化学セクターも紹介していきます。

PERやEPSなどの解説はこちら→https://kohaitouburogu.com/high-dividend-stock/#index_id5
で解説してあります。

決算書の解説も記事出しています。→https://kohaitouburogu.com/kessannsyo/

基本的にはPER/PBR/自己資本比率/配当性向/配当利回り/EPS/BPS/ROE/減配がないか
をチェックしてから業種やチャートを見るようにしてます。
中小型株も同様です。

ではまた

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