こんにちは。
今回は投資信託で人気の銘柄オールカントリーについて書いていきます。
eMAXIS Slim 全世界株式(以下オルカン)は、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021」投票で1位に選ばれた人気の投資信託です。
実際に、多くの証券会社の「投資信託ランキング」で上位にランクインしており、投資をしている方の中にはオルカンを
「投資の軸」に据えている方も少なくありません。
オルカンは非常に優れた投資信託で、全世界にまとめて投資できる商品として積立NISAにも組み入れられており、基準価額と純資産総額は右肩上がりで推移しています。
しかし、実際にオルカンを購入していても、商品の中身について熟知している人は多くありません。
本記事では、オルカンの詳細や人気の理由などを解説していきますので、既にオルカンを保有している方もこれから投資を開始する方も参考にしてみてください。
そもそもオルカンとは?
オルカンは日本を含む先進国や新興国の株式市場の値動きに連動することを目指した投資信託で
参考にしているベンチマークは「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」です。
投資信託には、ベンチマークに連動することを目指す「インデックスファンド」と、
ベンチマークを上回る成績を目指す「アクティブファンド」がありますが、オルカンはインデックスファンドに該当します。
「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」とは、多くのETFや投資信託が連動を目指している指標で
対象は先進国24か国、新興国(エマージング)21か国、フロンティア国25か国となっています。
つまり、全世界の株式市場幅広くカバーしている指標なので、世界経済の成長を取り逃すことはありません。
なお、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」の2022年6月末時点における過去のパフォーマンスを見てみると、
・5年平均:+7.5%
・10年平均:+9.3%
・15年平均:+5.3%
・20年平均:+7.8%
・30年平均:+7.8%
上記のようなリターンとなっています。
参考にしている指標は非常に優れていることから、オルカンは非常に信頼できる投資信託商品と言えるでしょう。
トラッキングエラーが小さい
参考にする指標が優れていたとしても、運用した結果である基準価額が指標とズレていたら意味がありません。
指標と基準価額の乖離率を「トラッキングエラー」と呼びますが、オルカンはトラッキングエラーが非常に小さいので安心して保有できます。
上記の表のように、ベンチマーク(指標となるMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス)と基準価額がほぼ一致しているので、安心して運用を任せられるでしょう。
なお、直近1年のトラッキングエラーは0.2%という非常に小さいレベルでした。
また、詳しくは後述しますがオルカンは保有にあたってのコスト(手数料)も非常に安いので、誰でも安心して保有し続けることができます。
資産構成・構成銘柄について
投資信託とは、簡単に言うと多くの企業をパック詰めにした投資商品ですが、オルカンの中身について見ていきましょう。
2022年6月の月次レポートによると、オルカンの資産構成は下記のようになっています。
・国内株式:5.2%
・先進国株式:82.9%
・新興国株式:11.7%
・コールローン他:0.2%
また、組入上位10ヵ国は下記の通りです。
・アメリカ:58.5%
・日本:5.3%
・イギリス:3.7%
・カナダ:3.1%
・フランス:2.6%
・スイス:2.5%
・ケイマン諸島:2.3%
・オーストラリア:1.9%
・ドイツ:1.8%
・台湾:1.6%
上記のように、投資先の軸となっているのはアメリカで、全体の約6割を占めています。
アメリカは言うまでも無く世界一の金融大国なので、必然的に投資する際には軸となる存在です。
アメリカ以外の国にも幅広く投資しているので、これにより世界経済の成長を逃すことが無くなります。
続いて、投資している業種の内訳トップ10は下記の通りです。
・情報技術:20.2%
・金融:13.9%
・ヘルスケア:12.4%
・一般消費財・サービス:10.7%
・資本財・サービス:9.0%
・コミュニケーション・サービス:7.7%
・生活必需品:7.2%
・エネルギー:4.8%
・素材:4.6%
・公共事業:3.0%
業種に関しても、幅広く分散されていることが分かるでしょう。
特定に業種に偏ってしまうと分散が効かなくなってしまいますが、オルカンの場合はしっかりと分散されているので安心です。
また、組入上位10銘柄を見てみると下記のようになっています。
・APPLE INC(アメリカ):3.9%
・MICROSOFT CORP(アメリカ):3.2%
・AMAZON.COM INC(アメリカ):1.7%
・ALPHABET INC-CL A(アメリカ):1.2%
・ALPHABET INC-CL C(アメリカ):1.1%
・TESLA INC(アメリカ):1.0%
・UNITEDHEALTH GROUP INC(アメリカ):0.8%
・JOHNSON & JOHNSON(アメリカ):0.8%
・TAIWAN SEMICONDUCTOR ・MANUFAC(台湾):0.7%
・NVIDIA CORP(アメリカ):0.7%
やはり、アメリカ企業を中心とした銘柄構成になっています。
アップルやマイクロソフト、アップルなどの世界的にも有名な企業が主な投資先となっていることからも、「世界経済の中心はやっぱりアメリカなんだなぁ」ということが分かります。
自分だけで個別企業の銘柄分析をするのは非常に面倒ですが、オルカンであれば世界中の優良企業にまとめて投資できます。つまり、手軽に世界経済の成長の恩恵を受けられるというわけです!
手数料の安さが魅力
投資信託によって手数料は異なりますが、オルカンは手数料が非常に安いことでも定評があります。
購入時手数料と信託財産留保額(投資信託を解約して現金化する際の手数料)はいずれも0円で、また運用中に支払う手数料である信託報酬も「年率0.1144%(税抜年率0.104%)以内」となっています。
つまり、100万円をオルカンに投資していたとしても、年間で発生する手数料は1144円となります。
この信託報酬の率は投資信託の中でもトップクラスの安さであり、余計なコストを負担することなく保有できるという点も大きな魅力と言えるでしょう。
手数料は何の付加価値も生まない余計なコストである以上、できる限り安くするのが鉄則です。
投資信託によっては「信託報酬1%+成果報酬」という商品もありますが、このような商品と比較するとオルカンの安さが分かります。
早期償還のリスクは非常に低い
早期償還(繰上償還とも言います)とは、予め決まっていた信託期間が終了する前に投資信託の運用が終了してしまうことを指します。
つまり、自分の意図とは関係なく、運用会社の都合で一方的に運用が終了し、保有口数に応じた金額が償還金として換金されてしまうのです。
なお、オルカンの繰上償還欄を見てみると「受益権の口数が10億口を下回ることとなった場合、対象インデックスが改廃されたとき等には、信託期間を繰上げて償還となることがあります。」という文言がありますが、現状を早期償還となるリスクは著しく低いです。
また、一般的に純資産総額が30億円未満の投資信託は早期償還のリスクが高いと言われていますが、2022年6月の月次レポートによると、オルカンの純資産総額は5,597.44億円となっています。
つまり、安定的に運用が行われている信頼度の高い投資信託なので、長期的に安心して資金を預けられる投資先と言えるのです。
世の中には約6,000種類の投資信託があると言われていますが、オルカンは数ある投資信託の中でも信頼できる投資信託と言えるでしょう。
ちなみに、純資産残高総額が高いと、
・コストが安くなりやすくなる
・トラッキングエラーも小さくなる
というメリットもあるので、「純資産額が高ければ高いほど安心して、低コストで保有できる」と押さえておきましょう。
まとめ
オルカンは、低コストで全世界に手広く投資できる優れた投資信託であり、純資産総額も高いので誰でも安心して保有し続けることができます。
肝心の運用成績も、過去30年間の運用成績は+7.8%と優れた成績を残しているので、「資産を増やしたい」というニーズにも問題なく対応しています。
既にオルカンを保有している方や積立購入している方はそのまま安心して保有し続け、これから投資を始めるという方も安心して購入すると良いでしょう。
自身の投資目的と金融商品の中身の相性を確認することで投資の
ミスマッチを防ぐことができるので、ぜひ本記事を参考にしてオルカンの理解を深めてください。
ではまた!
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