個人投資家の中に特に人気があるのは、インデックス投資と高配当株投資です。

インデックス投資と高配当株投資の両方を実行している人もいますが、高配当株に対して「企業分析とか難しそう」「インデックスよりもリスクが高いのでは?」という印象を持つ人も少なくありません。

今回は、

  • インデックス投資と高配当株投資のどちらがおすすめなのか
  • 高配当株投資は初心者でもできるのか
  • そもそもインデックス投資と高配当株投資の違いは何なのか

上記のポイントを解説していきます。

自分にとって最適な投資手法を見つける際の参考にしてください。

目次

インデックス投資と配当金投資の違い

まずは、インデックス投資と配当金投資の違いについて確認していきましょう。

両方とも優れた手法ではありますが、特徴が異なる点は知っておきましょう。

インデックス投資とは?

「インデックス」とは、日経平均株価やTOPIX、S&P500などの指数を指します。

インデックス投資とは、指数に連動する投資信託(インデックスファンド)に投資し、指数と同じ値動きを目指して利益を狙う投資手法です。

つまり、日経平均株価に連動するインデックスファンドを保有している場合、「日経平均株価が5%下がったら、自分の保有しているインデックスファンドの価値も5%下落する」というイメージです。

投資初心者向けの指南書やサイトでは、「ドルコスト平均法」が推奨されています。

ドルコスト平均法とは、毎月定額で同じ投資商品を積立購入して、取得単価を平準化する方法です。

つまり、「安いときにたくさん仕入れて、高いときには少なく仕入れる」ことで、高値掴みを避けられるメリットがあります。

インデックス投資はドルコスト平均法を用いた投資を実践しやすいことから、「タイミングを図って投資できる自信が無い」という人に向いています。

また、日経平均株価に連動するインデックスファンドを購入すると、日経平均に組み込まれている企業を「丸ごと購入」できるため、リスク分散にもなります。

 このように、高値掴みのリスクと集中投資のリスクを避けられることから、「インデックス投資は初心者に向いている」と言われることが多いです。

高配当株投資とは?

高配当株投資とは、配当利回りが高い企業の個別株を保有して配当金を狙う投資手法です。

基本的に株式を保有する期間は中長期を想定しており、「長く安心して保有できる財務優良な高配当株」を保有して、毎年配当金をもらうスタンスです。

「高配当」の定義はありませんが、「配当利回り3%以上」であれば、そこそこの高配当株と評価できます。

もちろん、「4%以上」を高配当株と評価している投資家もいるため、自身の価値観を鑑みた上で定義すると良いでしょう。

高配当株は、インデックス投資と異なり毎年キャッシュを得られるメリットがありますが、企業の財務や売り上げを分析する手間が発生します。

しかし、株式を「ただ持っているだけ」で毎年安定的に不労所得を得られる点は、大きなメリットと言えるでしょう。

インデックス投資と配当金投資のメリット・デメリット

続いて、インデックス投資と配当金投資のメリットをそれぞれ解説していきます。

インデックス投資と配当金投資は性質が異なるため、自分に合っているか吟味することが大切です。

インデックス投資のメリット

インデックス投資のメリットは、

自動で再投資され複利効果を得られるので、資産を最大化できる
初心者でも取り組みやすい
基本的にほったらかしでOK
100円単位で購入可能
企業分析をする必要が無い 

上記のような事項が挙げられます。

特に、投資初心者は「企業分析なんて無理…」と、実際に投資に着手する前に拒否反応を示してしまうことも少なくありません。

しかし、インデックス投資であれば企業分析をする必要は無く、「連動させたい指標を決めて、該当する投資信託を買う」だけです。

また、「毎月○日に××円だけ買う」という設定をしておけば、基本的にほったらかしで自動投資されるため、実行しやすい点も大きなメリットです。

楽でありながらも、複利効果を最大限享受して資産の最大化を目指せるため、投資初心者にとって最適解と言えるでしょう。

インデックス投資のデメリット

インデックス投資のデメリットとしては、下記のような事項が挙げられます。

  • 配当金が出ない
  • 飽きやすい
  • 売り時が難しい

投資信託には「分配金」という配当のようなものがありますが、基本的に再投資されます。

そのため、資産を最大化できるメリットがありますが、配当金がもらえないためキャッシュフローが良くなることはありません。

また、インデックス投資は楽である反面、投資している実感が湧かないので「飽きやすい」デメリットがあります。

「チャートを分析した上でトレードを決めたい!」と考えている方にとって、インデックス投資は味気ない投資に感じてしまうことから、自身の性格に向いているかは慎重に判断しましょう。

高配当株のメリット

高配当株のメリットは、下記の通りです。

配当金がもらえるため、キャッシュフローが潤う
売る必要が無い
値上がり益(キャピタルゲイン)も期待できる

インデックス投資とは異なり、高配当株投資では配当金がもらえるため、キャッシュフローが潤います。

そのため、「給与以外に不労所得が欲しい」と考えている方にとって、高配当株は魅力的な選択肢となるでしょう。

また、高配当株は値上がり益(キャピタルゲイン)も期待できる魅力があります。

将来の株価を気にせずに保有すれば、そもそも売るタイミングを考える必要も無い点も、高配当株のメリットと言えるでしょう。

インデックス投資に向いている人と配当金投資に向いている人の特徴

「自分はどちらに向いているのか分からない…」という人もいるでしょう。

インデックス投資に向いている人と、配当金投資に向いている人の特徴をそれぞれ解説していくので、参考にしてください。

インデックス投資が向いている人・向いていない人

下記に該当する方は、インデックス投資が向いている人と言えます

  • 面倒くさがりな人
  • とにかく効率的に資産を増やしたい人
  • 淡々と投資を継続できる人
  • リスクを抑えた投資がしたい

インデックス投資は、現代ポートフォリオ理論において「投資の最適解」と評価されています。

投資初心者でもベテランでも関係なく、淡々とインデックス投資をすれば効率よく資産を増やすことが可能です。

また、企業の財務や営業状態を分析する必要もありません。

そのため、面倒くさがりで、しかし淡々と投資を継続できる方であれば、インデックス投資に向いていると言えるでしょう。

「リスクを適度に抑えつつも、長期的には4~7%程度のリターンが得られれば文句ありません」という方は、ぜひインデックス投資を軸にしてください。

インデックス投資が向いていない人

逆に、インデックス投資に向いていないのは

  • 飽きっぽい人
  • たまにトレードを楽しみたい人
  • 配当金が欲しい人
  • 売り時が分からない人

上記に該当する人です。

基本的に、インデックス投資は「老後資金など、必要になるときまで放置」するスタイルなので、手間暇がかかりません。

しかし、一方で「退屈」「投資をしている実感が無い」という人もいるため、向き不向きは考える必要があります。

個別株の値上がり益を得つつ、配当金も欲しいと考えている人にとっては、物足りない投資法と感じてしまうでしょう。

さらに、必要なタイミングで売却することがインデックス投資の「ゴール」になりますが、売却の判断が難しいのも事実です。

主に、インデックス投資をしている人が取り崩しを行うのは老後生活に突入したタイミングであるケースが多いですが、これまで積み立ててを取り崩すのは精神的に抵抗があるものです。

また、取り崩しをしている最中に暴落が起こると、目減りしている資産をさらに取り崩すことになるため、こちらも大きなストレスになります。

そのため、売り時のタイミングを自分で判断できる自信が無い場合は、インデックス投資は向かない可能性があると言えるでしょう。

高配当株投資が向いている人・向いていない人

下記に該当する方は、高配当株投資に向いています。

  • 配当金(不労所得)が欲しい
  • 企業分析が苦にならない
  • 売り時は自分で判断できる
  • 必要に応じて売却益も得たい
  • コツコツと長期的に配当金を育てたい

高配当株投資の最大の魅力は、配当金が得られることです。

配当金は正真正銘の不労所得であり、自分が遊んでいても眠っていても、証券口座に入金してくれる非常にありがたい存在です。

インデックス投資は「資産の最大化」を目指す上で最適な手段ですが、高配当株投資は「目先の生活を良くしたい」「使途自由なお金が欲しい」と考えている人に最適でしょう。

また、「とにかく配当利回りが高い銘柄を!」というスタンスで高配当株投資をすると、罠銘柄を購入してしまうことになります。

罠銘柄を購入すると、減配した上に業績不振で株価も下落し、目も当てられない状況に陥ってしまいます。

このような罠銘柄を回避するためにも、企業分析をすることが苦にならない人は、高配当株投資に向いているでしょう。

財務優良で成長余地もある株を保有していれば、「値上がり益・高配当・増配」のうまみを享受できるため、企業分析が苦にいならず、コツコツと長期的に配当金を育てたい人は高配当株投資をおすすめします。

高配当株投資が向いていない人

下記に該当する方は、高配当株投資に向かない可能性があります。

  • 企業分析ができるか自信が無い
  • かといって、投資の勉強をするのは嫌
  • 人からおすすめされた銘柄に飛びついてしまう

高配当株には、財務不安定な罠銘柄もあるため、企業分析のスキルは必須です。

かといって、チャート分析や株価指標の分析の勉強など、「投資の勉強をするのはちょっと…」という方であれば、インデックス投資の方が向いているでしょう。

また、ブログやSNSなどでおすすめされている銘柄に飛びついてしまうような人も、罠銘柄を掴まされてしまう可能性が高いです。

そのため、「自分で判断し、自分の意思で購入する」という心構えで投資できない人は、高配当株は控えることをおすすめします。

最適な投資法を知るためにまずは実践する

実際に経験値を得る中で、本を読むだけでは得られない様々な気付きを得られるはずです。

もちろん、インデックス投資と高配当株投資のどちらかしか選べないわけではありませんから、二刀流で進めるのも全然アリです。

幸い、現在は少額から投資を始められる環境が整っているため、投資経験を積むには絶好の時代とも言えます。

資産運用や投資の世界は、「知識」も大切ですが「経験、実践」も同じくらい重要なので、ぜひ自分に合った投資方法を模索してみてください。

インデックス投資と高配当株投資のまとめ

インデックス投資と高配当株投資は、いずれも魅力が大きい投資手法で、投資に興味がある多くの方におすすめできます。

しかし、性格や投資目的が全く異なるため、自分に合っているかどうか判断することは非常に重要です。

自分の性格や価値観に合っている投資手法を見つけるためには、実践することが非常に効果的です。

こちらの記事で紹介した内容を参考にしつつ、インデックス投資と高配当株投資の魅力を感じてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次