こんにちは
今回は3メガ損保をそれぞれ解説していきます。
私は東京海上HDを保有しています。
現状だと値上がりしており買いに行けるタイミングではないと感じていますが、景気に左右されやすい業種なので下がったタイミングで購入を狙っているセクターです。
保険会社の銘柄はこれから紹介する3社がいいと思いご紹介します。
未所有の方はぜひ最後までご覧ください。
東京海上ホールディングスとは
同社は、国内外の保険事業や金融事業を営む会社です。
グループ会社には、東京海上日動火災保険株式会社やイーデザイン損害保険株式会社など、23社ございます。
保険業界は相関性が高く複数購入してもそれほど分散に期待できないため
このセクターを保有していない方はまず1社狙っていくくらいでいいかと思います。
景気敏感かつ金融関連銘柄で1株単価が高額なため買いすぎるとポートフォリオのバランスがとりづらくなってしまいます。
複数社購入したい場合は資金に余裕がある場合を除いてネオモバなど1株単位から買える証券口座を活用して購入するのがお勧めです。
PERは13.3倍
PBRは1.4倍
ミックス指数は18.62
時価総額5兆円規模を超える大企業で、売り上げは年々上昇しており、10年間で20兆増加しています。
特にコロナ後の利益の上昇は堅調に推移していますが割安感はないので購入を検討している場合今は様子見が必要かと思います。
配当利回りは表示されておりませんが今期の配当金は1株あたり300円を予定したおり、2022年9月時点での配当利回りは3.8%程度となっています。
配当性向に関しては40%程度と問題ありません。
東京海上HD株価推移
過去10年間の株価の推移を見てみると、2013年には2,479円だった株価が、現在では7,000円台後半と約3倍に株価を伸ばしています。
コロナ禍が始まった2020年1~2月頃から株価が一時1,500円ほど下がり5,000円前後となっていましたが、昨年6月頃から右肩上がりに回復しており、この一年で3,000円弱の急激な株価上昇となっております。
私は昨年5,500円程度で100株購入しました。
この銘柄は近々株式分割を行う予定なので購入しやすい金額になります。
保険のセクターを保有していない方はそれ以降で狙ってみてはどうでしょうか。
続いてキャッシュフローの推移を見ていきましょう。
東京海上HDキャッシュフロー推移
キャッシュフローの金額をそれぞれ見てみると、営業活動・投資活動・財務活動・期末残高含め、昨年と同程度という結果でした。
その中でも一番変化の大きかった、営業活動によるキャッシュフローの内訳を見てみると、当期純利益が大幅に上がっているものの、責任準備金や利息及び配当金収入の減少があり、結果的には昨年比▲75,633百万円となりました。責任準備金とは、将来支払う可能性のある保険金を積み立てるために使用する項目のことになります。
ソルべンシー・マージン比率
2022年3月期 896.5%
ソルベンシーマージン比率とは
保険会社の健全性を図ることができ、通常の予測を超えた大規模損害が発生した場合に支払い余力がどれくらいあるのかを見ることができます。
この数値が低いと東日本大震災のような突然の大規模災害が起きたときに会社が破綻してしまう可能性があります。一方で高すぎる場合は、消費者が支払った保険料に対して、有事の際に受け取れる保険金額が低すぎるともいえます。
東海海上ホールディングスは最低基準である200%を大きく超えているため安全性は高いですが、この後紹介する他社と比較して高すぎないかがポイントになります。
東京海上HD配当推移
過去10年間で連続して配当金金額が上昇しており、特に2021年・2022年(今期予想)は大きく伸びていることが見て取れます。株価の推移を見た際にも2021年辺りから急激に右肩上がりとなっていましたので、直近の業績は好調といえるでしょう。
10年間で配当金は4倍以上に成長しており、増配と継続して来れています。
株主還元姿勢が高く儲かった時にはしっかり配当金を出してくれるのはありがたいです。
東京海上HD事業内容
①国内損害保険事業
火災保険や海上保険、傷害保険など様々な種類の損害保険を取り扱っており、幅広い販売チャネルを通じて、一人一人のお客様に合った商品を提供しています。
事業別利益は1,780億円と4つある事業の中では、2番目に利益が出ている事業です。
②国内生命保険事業
東京海上日動グループの生命保険では、医療技術が日々進化していく中で生じた「長生きリスク」をカバーするための生存保障に着目した商品ラインナップが魅力です。
③海外保険事業
4つの事業の中でも事業別利益金額が最も高いのが、海外保険事業です。この分野では、欧米先進国だけでなく、成長ポテンシャルが高い新興国にも様々な商品やサービスを提供しています。
④金融・その他事業
金融事業では、運用代行を中心とした事業の展開をしています。また、その他事業では保険事業と親和性の高い健康維持やメンタルヘルスに関するサービスなどを提供しているのが特徴です。
経営戦略
事業での成長と安定的な高収益を目指すために、既存マーケットでの競争力を強化していきマーケットシェアを高めることを目標としています。
また、新しいマーケットの創造として、現在の社会に合った新種保険の成長にも力を入れていくこともポイントです。
既存マーケットだけで、収益を上げていくには限界があるため、健康意識の高まりや介護と仕事の両立などのニーズに向けた対応を行っていくことには期待が持てます。
続いて2社目を見ていきましょう。
SOMPOホールディングスとは
同社は、国内外の保険事業や介護・シニア事業やデジタル領域の事業を営んでいる会社です。
グループ会社には、損保ジャパンやセゾン自動車火災を含め、17社ございます。
同社は海外の保険事業割合が40%近くあり、先進国から新興国まで29か国に拠点を持って
介護やシニアに向けたサービスも展開しています。
日本国内の人口は年々減少していますのでその辺りも強みの一つと言えると思います。
PERは11.9倍
PBRは1.1倍
ミックス指数は13.09倍
東京海上同様に売り上げは年々増加しており、自己資本比率も東京海上とほぼどう水準となっています。
配当利回りに関しては4.3%ありますので株価上昇していますがまだまだ高配当といえる水準にあります。
配当性向に関しては32%とかなり余裕があり、今後も安定して配当金を支払ってくれると期待しています。
東京海上も同様ですが、自己資本比率が低いのは保険業の特徴であり、預かったお金を運用していくためあまり気にしなくていいと思います。
続いて株価の推移をみていきましょう。
SOMPO HD株価推移
10年前の2013年1月時点では1,908円でしたが、2022年9月18日現在では6,089円と約3倍株価が上昇しています。
東海海上と同じく2020年1月ごろからコロナ禍の影響で株価が一時落ちたものの、同年5月ごろから早くもV字回復が始まり2022年9月現在まで順調に右肩上がりで成長し続けています。
株価の値動きに関しては東京海上とほぼ同じ動きをしていて
配当利回りが高いとはいえ購入するには勇気がいるチャートです。
続いてキャッシュフローの推移をみていきましょう。
SOMPO HDキャッシュフロー推移
現金及び現金同等物の期末残高は昨年の1,117,770百万円から1,207,306百万円と若干プラスに転じています。
営業活動によるキャッシュフローは、昨年626,202百万円に対して今期600,021百万円なので、若干のマイナスとなっています。
これは、当期純利益は増えたものの、その他資産が増加したことにより、現金が減っているため最終的には昨年と比較して▲26,181百万円という結果でした。
投資活動によるキャッシュフローは、昨年▲359,516百万円から今期▲348,540百万円となり、マイナス金額が10,976百万円プラスとなりました。
プラスに転じた要因としては、有価証券の売却や償還による収入が増えたためです。
財務活動によるキャッシュフローは▲94,498百万円から▲170,108百万円と75,610百万円のマイナスとなっています。要因は債券貸借取引受入担保金の減少で、これは債券の貸付によって預かった担保の金額のことです。
ソルべンシー・マージン比率
SOMPO HDのマージン比率は他社大手と比べると低く見えますが
最低基準が200%なので十分といえます。
SOMPO HD配当推移
配当金金額(赤棒グラフ)を見てみると順調に右肩上がりになっていることがわかります。東京海上と同じく2021年と今期予測は昨年比で見ても増配金額が高いため、近年の業績は好調だと言えるでしょう。
東京海上同様に10年で配当金が4倍以上に成長しています。
自己株式取得金額(青棒グラフ)を見てみると毎年自己株式を取得しており、株主還元に対する意識が高いことが見て取れます。
SOMPO HD事業内容
①国内損保事業
代理店販売が主体の損保ジャパンやダイレクト販売のセゾン自動車火災保険の2社が中心となり、多様化するお客様のニーズに対応しています。
国内損保保険市場では、損保ジャパンは収入保険料トップクラスを誇っており、国内に約2,000万人のお客様に幅広いサービスを提供しています。
②海外保険事業
海外保険事業では先進国から新興国まで29か国に拠点を持っており、広くグローバル展開しているのが特徴になります。
③国内生保事業
国内生保事業では、医療保険を中心に収入保障保険やがん保険などの保障性商品が約8割を占めており、残り約2割は貯蓄性商品があり、様々な種類の保険商品を展開しています。
④介護・シニア事業
SOMPOケアはシニアリビングの居室数で業界No.1(2022年4月時点)を誇り、売上高は業界2位となっています。また、東京大学や東京藝術大学らと提携を行い、高齢化社会が訪れた今、直面している様々な課題の解決を目指しています。
⑤デジタル事業
国内外の保険事業や、介護事業を営んできたことで得られた、2,000万人の保険顧客データや、10万人の介護関連データなどを活かしたデジタル事業を展開しています。
経営戦略
- 規模と分散の追求
近年の変化しやすい環境に柔軟に対応していき、困難な状況に陥っても乗り越えられるグループを目指す。既存事業での収益性向上や顧客基盤の拡大はもちろんのこと、必要に応じてM&Aを活用してさらなる成長を目指して力を入れていきます。
- 新たな顧客価値の創造
既存事業との親和性が高い分野の新事業開発に力を注いでいきます。保険や介護などで蓄積してきたデータを活かして新たな価値の創造を目指していきます。
- 働き方改革
社員一人一人のやりがい、幸福度の向上、圧倒的に高い生産性向上を実現するために、人材の多様性を認めながら、各業種の専門性を高めていき、社員全員が同じ方向を向いた行動や意思決定ができることを目指します。
将来性
目標値に対して、直近5年の修正連結利益を見てみると、2018年度に1,135億円でしたがそこから3年間は毎年400億円~600億円ほど右肩上がりに増やしていることを考えれば、現実的な目標といえるでしょう。
特に利益を大きく伸ばしているのが、国内損保事業で2018年度と比べると2021年度は約3倍となっています。そのため、国内損保事業の利益を高水準で安定させ、その他の事業も国内損保事業と同様に伸ばすことができるかが重要になってくると思います。
続いて3社目をみていきましょう。
MS&ADホールディングスとは
同社は、国内外の保険事業や金融事業に加えてリスク関連サービス事業を営んでいる会社で2009年に三井住友海上グループホールディングス株式会社とあいおい損害保険株式会社とニッセイ同和損害保険株式会社が経営統合して2010年に三井住友海上からMS&ADに社名変更してできた会社です。
グループ会社には、三井住友海上火災保険株式会社やあいおいニッセイ同和損害保険株式会社など、全部で24社ございます。
PERは9.2倍
PBRは0.7倍
売り上げは10年間で多少伸びていますが他の2社と比べると見劣りしてしまいます。
配当利回りに関しては4.4%と高水準で配当性向も37.5%とまだ余裕があります。
PER/PBRを見ても割安感はあるものの現状の株価と合わせて検討していきたいところだと思います。
自己資本比率に関しては他2社とほぼどう水準となっていますね。
株価推移を見ていきましょう。
MS&AD株価推移
2013年1月には1,744円でしたが、2022年9月18日現在は4,179円に上がっています。
10年前と比べれば伸びてはいるものの、株価チャートを見てみると株価の上下を繰り返しながらも2015年辺りからあまり変わっていないようにも見えます。先に紹介した、東京海上とSOMPOと比べるとやや成長性は低いと言えるでしょう。
MS&ADキャッシュフロー推移
現金及び現金同等物の期末残高を見ると、昨年1,994,434百万円から2,256,216百万円に増えています。
これは営業活動によるキャッシュフローが昨年▲323,912百万円だったのが、今期は236,708百万円と黒字化したことによるものです。
営業活動によるキャッシュフローの内訳を見てみると、当期純利益が増えたことに加えて、有価証券関係益や特別勘定資産運用益、為替差益が減少したことにより現金が増えたことが要因で昨年の赤字から大きく黒字に回復したと考えられます。
投資活動によるキャッシュフローは有価証券の売却・償還による収入の減少によって、昨年43,925百万円から▲71,976百万円に減少。
また、財務活動によるキャッシュフローは社債の償還による支出が増えたことにより、昨年79,278百万円から58,545百万円に減少しました。社債の返済によるものなので、一時的に現金は減りますが、借金を減らせることで安全性は少し高まるでしょう。
ソルべンシー・マージン比率
2022年3月期 857.9%
最低基準の200%を大きく超えており、先に紹介した東京海上と同程度、SOMPOと比べるとやや高めの結果となっております。
MS&AD配当推移
10年間で配当金は3倍以上に成長しています。
十分です。。。ただ今期の予想で他に社との差が開いてしまいました
3メガ損保はどの銘柄も全然悪くないと思いますが、強いていえば
東京海上、今すぐ買わなきゃいけないなら配当利回り的にSOMPO HDかなと思います。
MS&AD事業内容
国内損害保険事業
国内損保シェアNo.1(2022年9月現在)を誇り、グループ全体で多様化するお客様のニーズに対応をしています。総合力とグローバル展開を担う「三井住友海上」、先進性や多様性、地域密着型の「あいおいニッセイ同和損保」、スマホを軸に利便性を追究した「三井ダイレクト損保」など、様々な種類の商品が揃っています。
国内生命保険事業
医療や介護保障などの保障性商品を取り扱う「三井住友あいおい生命」と、老後の備えや相続に活用できる資産形成型・資産継承型商品を取り扱う「三井住友海上プライマリー生命」の2社がそれぞれの強みを活かした商品を展開しています。
海外事業
49ヵ国の幅広い地域に展開しており、その中でもASEAN地域においては域内総収入保険料No1を誇っています。(2022年9月現在)
金融サービス事業
保険・金融グループとしての総合力を生かした、新しい金融商品やサービスの開発や提供を行っています。
リスク関連サービス事業
あらゆるリスクに対してコンサルティングや調査研究などをしており、グローバル展開もしています。
将来性
ホームページの財務・非財務ハイライトを見てみると、管理職に占める女性の割合や、紙の使用量推移、温室効果ガス排出量の推移など、SDGsで掲げている目標に対しての結果の推移がまとめられていました。
SDGs 17の目標の内、自分の事業に合ったものをいくつか目標として掲げている会社は多いですが、MS&ADホールディングスのように、過去の実績から直近の実績までを具体的に公開している会社は少ないです。その中で、温室効果ガス排出量の低減や女性管理職の増加に積極的に対応し、キチンと結果を出している会社といえるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は保険会社大手を3社ご紹介しました。
個人的にはどの銘柄を購入していても間違いではないと思います。
強いていえば私は東京海上HDを中心に投資していき、個別に下がるタイミングが来たら
他2社にも資金を入れていきます。
PERやEPSなどの解説はこちら→https://kohaitouburogu.com/high-dividend-stock/#index_id5
で解説してあります。
決算書の解説も記事出しています。→https://kohaitouburogu.com/kessannsyo/
基本的にはPER/PBR/自己資本比率/配当性向/配当利回り/EPS/BPS/ROE/減配がないか
をチェックしてから業種やチャートを見るようにしてます。
中小型株も同様です。
ではまた!
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