2022年7月経済トピックスまとめ

こんにちは
今回は2022年7月の経済に関する情報をいくつかまとめて見ました。
どれも経済に関する内容になっており、個人的に私が面白いと思った内容をピックアップしてまとめてみました。
ぜひ最後までご覧ください。

目次

①ナスダック総合株価指数が4か月ぶりに上昇

7月の米株式相場では主要指数は全体的に上昇傾向にありました。
特にナスダック指数は好調で、先月(6月)までは毎月安価を更新していましたが、7月に入るとその流れは一転して、
月間上昇率は12%とS&P500種株価指数(上昇率9%)と比べても高いことがわかります。
その中でもアップルの株高の影響は大きく、日本の年金もアップル株の恩恵を受けています。

アップルは4月~6月期に「40億~80億の売り上げ減に見舞われる」との予測を立てていましたが
実際は、40億以下の売り上げ減に抑えられることができました。
それだけではなく、4~6月期の中国では、スマートフォンの出荷台数が前年同期に比べ
10%も下落したにもかかわらず、アップルは25%増えており、アップルの底力の強さが発揮されています。

為替相場では、22年3月ごろから日米の金利差の拡大を理由として
円安が進行していましたが、円相場は、29日までの1週間で6円超の円高が進み、1$=132円となっています。

今後もウクライナ情勢や円安等で、先行きが見えない株式相場が続くと予想されますが、アップル社の強さを見ると、アップルの株価上昇が期待できますね。
一方世界経済成長は鈍化しているようです。

②世界経済成長は減速傾向

パンデミックに加え、ウクライナ侵攻の影響が続く世界経済では
下振れリスクが現実となり始めてきています。米国と欧州諸国を中心として、インフレが想定以上に進み、更に中国は新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンの影響を受け、成長率は鈍化しています。加えて、ウクライナ戦争の影響もうけ、今年の第2四半期の世界GDPは縮小傾向にあります。

また今後の見通しについても、下振れのリスクが大きいと言えます。

要因としては、ウクライナ侵攻やコロナ禍の影響で、中国が再びロックダウンを講じる可能性、また、食料やエネルギーの価格が上昇することによる社会不安など、マイナスに触れる要因が多いことがわかります。

その中の一部のリスクが実現することを想定したシナリオでは、物価の上昇がさらに進行し
世界経済成長率も大幅に減速するという予測がされています。
このシナリオ通りに世界経済が動いたとすると、1970年以降5度しかない水準まで成長ペースが落ちこむこととなります。

世界経済は2年前の新型コロナウイルス感染拡大の影響から、復活の兆しがあったものの
現在では再び景気後退の可能性が出てきています。

コロナや、インフレ加速による金利上昇やウクライナ振興など
マイナス要素が多いため投資タイミングは慎重におこなっていきたいですね。

③大手商品のアクティブ投資信託は成果の検証がされていないことも

日本経済新聞の記事によると
「国内の個別株を選別して組み入れているアクティブ型投資信託の調査で、株価指数などに連動させて運用するパッシブ型のリターンを明らかに下回る商品の8割が、大手金融機関系列の商品」
と判明したそうです。

〜アクティブファンドとは〜
プロのファンドマネージャーが投資商品を選定・運用し、収益が指数(ベンチマーク)を上回ったり市場平均以下にリスクを抑制したりする運用を行う投資信託のことを言います。
高いリターンが期待できる一方、パッシブ型と比較すると、信託報酬は高めとなっています。

一定の運用実績がある、国内株のアクティブ投資信託444本の分析結果

・パッシブ型を上回る投資信託 35本(1割弱)  
・パッシブ型と同等の投資信託 377本(8割強) 
・パッシブ型を下回る投資信託 32本(1割弱)  

信託報酬を加味した結果を見ると、パッシブ運用を上回る成績を目指しているにも関わらず、実際に上回る結果を出せているのは、全体の1割弱とかなり少なめです。

パッシブ型を下回る結果を出した32本の投資信託のうち、約8割は国内大手の銀行や証券・保険傘下の資産運用会社の商品でした。

その要因としては

①信託報酬は商品パフォーマンスを考慮した結果ではなく、他社比較で決めていたこと
②信託報酬等のコスト控除後の指標が社内共有できていないこと
③アクティブ投資信託のキチンとした成果の検証ができていないこと

そのため、金融庁は投資家の保護を徹底するため監督指針の改定も検討することとなっています。

パッシブ型の成績を上回るアクティブファンドはかなり少ないため、優良ファンドの見極めが難しいため、投資初心者はパッシブ型のファンドを選ぶ方が良いと言えるでしょう。

④年金運用は好調で、大幅な黒字

公的年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2021年度の運用実績が10兆925億円の黒字であったと発表しました。
その中でも特に外国株式の成績が良く8兆4290億円の黒字となっています。

GPIFが管理する運用資産総額は約196兆円(22年3月末時点)ほどありますが、その約0.1%に当たる
2,200億円(21年3月末時点)はロシア関連資産として保有していたが
22年3月末時点には評価額をほぼゼロ円に引き下げています。

やはりロシア関連資産は、ウクライナ侵攻の影響で経済制裁やロシアに対する対抗措置などで
通常の取引ができない状態が続いています。

また、22年3月にMSCI.incが新興国株式指数(全世界株式指数を含む)からロシア株式を除外することを発表しました。

今後はロシアと同じく社会主義国である中国等に、投資を検討する際にはこういったリスクがあることも視野に入れたうえで決断する必要が出てくるでしょう。

⑤15年ぶり。REIT(不動産投資信託)に業務停止命令

金融庁が、中部電力系の不動産投資信託運用会社、エスコンアセットマネジメント(東京・港)に対して3か月間の業務停止命令を出しました。
要因は、親会社がもつ不動産をREITに高値で購入させようとしていたためで、投資家の不利益につながりやすい重大な問題となっています。

国内のREITは様々な運用ルールがあり、スポンサーから物件を購入する際には、必ず外部の鑑定会社が評価し、取引価格が鑑定評価額を上回らないように取り決められています。

しかし、今回のエスコンアセットマネジメントは、より高い鑑定評価額を得るため、複数の鑑定会社から評価額を聞き取り、最も高い金額を提示した鑑定会社を選定していたため、意図的に物件を高値掴みしようとしていました。しかしその背景には、物件の鑑定評価額が伸びなくなっていることが一因としてあげられます。

不動産投資の中でも、比較的初心者にも手が出しやすいREITではありましたが、今回の事件は、エスコンアセットマネジメント1件のみの問題なのか、それとも他の会社も手を染めてしまっているのか、現時点では不明ですが、REITの先行きが少し怪しくなってきています。

⑥おまけ

ビットコイン投資信託 ETF化への道のりは

21年には一時運用資産が400億ドルを超え、ビットコインに投資する投資家の多くが利用していたビットコインを含む
投資信託は、下落相場での利益確定売りが要因でビットコイン以上に価格が下落しています。

グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)は米国の店頭取引で販売がされることで、期待値によって価格が振り回されやすくなっています。

対応策としてグレースケールは投資信託をETFに転換させる申請をしていましたが、6月に米証券取引委員会が市場操作の懸念を理由に申請を却下しました。機関投資家の資金引き上げの影響が大きく、価格が乖離している間は、新規顧客の獲得が難しいため、浮上可能か否かに注目が集まっています。

需要と供給によって大きく値段が変動しやすい暗号資産は、投資初心者には、扱いが難しいため、現状を見る限り投資信託であっても避けておいた方がいいかなと思います。
購入する際に関してはリスク許容範囲内で少量にとどめておきましょう。
今回の投稿は経済トピックスでした。
経済に関することをこれからも毎月発信していきます。
ではまた!

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