少額の積立投資はあり?有用性とメリットについて

定期的にコツコツと積み立てていくインデックス投資は、少額からでも投資できる気軽さが魅力の一つです。実際につみたてNISAを利用してインデックス投資を実践している方も多いのではないでしょうか。

しかし、

少額投資をしてもリターンは限られている
少額をチマチマ投資するくらいなら、自己投資に回して人的資本を高めた方が良い

という意見があるのも事実です。

結論からお伝えすると、少額投資には少額投資のメリットがあるため、現在の収入状況や金融リテラシーの度合いなどを鑑みて、自分に向いているか判断することが大切です。

今回は、少額投資に意味が無いと言われている理由や、少額投資がおすすめできる人の特徴などを解説していきます。

インデックス投資を実践中の方にも役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてください。

目次

少額から投資できるインデックス投資の魅力について

つみたてNISAやiDeCoを実践している方の多くは、インデックスファンドに毎月定額を投資する「インデックス投資」を行っているのではないでしょうか。

インデックス投資は、現代ポートフォリオ理論においても「最も効率的」と言われているため、多くの投資家にとって「ほぼベスト」な投資手法です。

また、インデックス投資は証券会社によっては100円から購入可能(iDeCoは5,000円から)なので、手軽に投資できる点が大きな魅力です。

実際に、証券会社のセールストークにも「100円から気軽に購入できます」といった旨の話が含まれています。

100円から気軽に購入できるのは事実で、さらに近年は手数料や信託報酬などのコストが低く保有にあたってのコストが非常に安いインデックスファンドが増えているため、年々魅力が増しています。

つまり、インデックス投資には

 少額から気軽に投資できる
低コストで年5%~7%程度のリターンを期待できる
分散も効いている
銘柄分析をする手間が不要

上記のようなメリットがあると言えるでしょう。

特に、いきなり大きな金額を投じることに恐怖を感じる方や、まずは投資経験を積みたいと考えている方は、インデックスファンドへの少額投資は非常におすすめです。

少額投資に意味はないと言われる理由

投資家の中には、「少額投資には意味が無い」「少額投資はやるだけ無駄」と主張する人も一定数存在します。

少額投資に対してネガティブな意見を持つ方は、下記のように考えていることが多いです。

少額だと利益が少ない

当然ですが、投資する元本が高ければ高いほど得られる利益は大きくなります。

例えば
100万円を年5%で運用できたら105万円(5万円の利益)となりますが、1,000円を年5%で運用できたら1,050万円(50万円の利益)となります。

このように、投資する元本が小さいと得られる利益が少ないことから、「少額投資をしても意味が無い」と言われてしまっています。

さらに、運用期間が長くなればなるほど複利効果も大きくなるため、投資元本が大きい人と小さい人の間では大きな差が生まれます。

証券会社のセールストークである「100円投資」に至っては、年5%で運用できたとしても5円の利益に過ぎません。

「日々の生活を良くするレベルのリターンを得たい」と考えている方であれば、少額投資では満足できる利益を得られないことが分かるでしょう。

自己投資を優先した方が良い

20代や30代の若い人であれば、投資に回して年5%の程度のリターンを得るよりも、自己投資に回して人材価値を高めた方が割が良い可能性があります。

例えば、

 業務に関連した資格を取得する
人脈を広げられる会合に参加する
語学力を鍛える

上記のように、収入アップに繋がるような自己投資は、最終的に年10~20%の利回りに匹敵するインパクトを産む可能性があります。

つまり、人的資本を高めることは「長期的に安定した収入を得られる」ことにも繋がるため、金融資本への投資より高いリターンが期待できます。

少額投資に否定的な人は、「数万円や数十万円をコツコツ投資しても、年数千円程度の利益にしかならない」と捉え、自身の能力と人材価値を伸ばした方が経済的メリットが大きいと考えています。

確かに、不動産業界に勤務している人が宅建資格を取得し、月3万円の資格手当をもらえるようになれば、ただそれだけで年収36万円アップです。(10年間で360万円にもなります)

資格取得に数万円かけていたとしても、余裕でペイできてしまいますよね。

他にも、独立開業を検討している方にとっては、株式投資によって得られるリターンよりも人脈形成に伴う自己投資の方が期待リターンが高い可能性があります。

このように、現在の勤務先のルールなどによっては、インデックスへの少額投資よりも自己投資の方が高いリターンが期待できるわけです。

少額投資にも意味があると言える理由

上記で解説してきた、「少額投資には意味が無い」という意見も一理あることも事実です。

しかし、利益が小さくても少額投資を行うメリットや意義も存在します。

以下で、少額投資を行うメリットや有用性などを解説していきます。

資産運用の経験が積める

「資産運用に興味がある」と言っておきながら、いつまでも始めずに時間が経過してしまっている人は多いです。

資産運用は、投資に関連した金融知識を習得することも重要ですが、知識と同等以上に「経験を積む」ことが重要です。

実際に資産運用の経験を積むことで、下記のようなメリットが期待できます。

値上がりや値下がりの耐性が身につく
不況時・暴落時の正しい対策を経験できる
経済ニュースを見るようになり、金融リテラシーが高まる
投資家仲間のコミュニティができて、有益な情報交換ができる
配当利回りや期待リターンの相場を把握できるようになる
退職金を手数料の高い商品に突っ込んで損失を出すような致命傷を避けられる

資産運用の歴が長くなればなるほど、自然と知識を習得でき、上記のようなメリットを享受できるでしょう。

少額投資であっても、資産運用の経験であることに変わりは無いため、自身にとって大きな財産となります。

特に、今後の日本はますます少子高齢化と人口減少が進むことから、日本では「税金と社会保険料の負担は増えるけど、年金受給額は減る」ことが予想されます。

長生きリスクに備えるべく、金融資本を上手に運用するためにも、資産運用を積み重ねることの重要性は高いと言えるでしょう。

年金という安定した収入に加えて十分な資産があれば、豊かな生活を送ることができます。

元本が大きくなればリターンは大きくなる

少額投資といえども、毎月コツコツと積立投資をすれば元本部分は徐々に大きくなっていきます。

少額投資に否定的な人は、「十分な利益が得られない」点をネックに捉えていますが、いつまでも投資を始めなければ投資元本はゼロのままです。

時間はかかるにせよ、コツコツと少額投資を行っている人は、数十年後に大きな元本を築いている可能性が高いです。(毎月3万円を30年間継続すれば、元本部分だけでも1,080万円になります)

つまり、「種をまいて育てる」感覚で、長期的に資産運用を行う予定の方であれば、少額投資はベストマッチする可能性が高いと言えるでしょう。

他にも、投資に回すお金を増やすべき、家計の見直しを行う・副業に挑戦して収入を増やすなどの副次的なメリットも期待できます。

徐々に元本が大きくなって得られるリターンも大きくなっていくのを実感できれば、「資産運用をしておいて良かった!」と感じられるでしょう。

自己投資と両立も可能

少額投資をしているからといって、自己投資を行えないことにはなりません。

少額投資と自己投資を両立・並行させることは可能なので、もし両方に興味がある方はバランスを取りながら実践すれば良いだけの話です。

例えば、
投資に回せる資金の中で、簿記の資格取得を目指しながら数千円のインデックス投資をすることは可能でしょう。

なお、インデックス投資による資産運用と自己投資も、「利益が出る保証は無い」点は共通しているため、自分の中のバランス感覚に従って投資してみてください。

少額投資:自己投資の割合を「5:5」にするか「2:8」にするか、はたまた「9:1」にするかは、自分自身で自由に決められます。
自分にとって心地の良い配分で投資を行い、資産と収入を両方ともアップさせるように頑張っていきましょう。

設定すれば放置でOK

少額投資は、「毎月○日に△円投資する」という設定をしておけば、その後は基本的に放置で問題ありません。

このように、手間暇がかからずに簡単に実行できる点は、少額投資(インデックス投資)も大きなメリットです。

普段の仕事が忙しい人は、「自己投資をするのも面倒だなぁ」「株価のチャート見る時間が無い」と感じてしまう日もあるでしょう。

しかし、少額投資は設定さえしておけば、仕事で疲れていようが勉強する気が無かろうが、無機質に投資を実行できます。

面倒くさがりな人でも、ある程度の投資期間が計算できれば「そこそこのリスクでそこそこのリターン」が期待できるため、少額投資の有用性は高いと言えるでしょう。

少額投資の有用性まとめ

「少額投資よりも自己投資にお金を費やすべき!」という意見にも一理あるため、一概に少額投資の良し悪しを判断することはできません。

 「自己投資よりも資産運用を優先したい」と考える方は少額でも投資を行えば良いですし、逆に「自己投資を行った方が期待リターンは大きい!」と考えている方は、自己投資にお金を回せば良いでしょう。

有り体に言えば、少額投資をするべきかどうかは「その人次第」ということになるため、結論を出すことはできません。

とはいえ、今後の日本の人口動態の変化や社会情勢の変化を考えると、できるだけ多くの投資経験を積んで資産運用スキルを高めることの重要性は非常に高いです。

生活する上で人的資本が重要なのは言うまでもありませんが、金融資本があれば選択肢が増えて生活の充実度も高まることから、投資や資産運用に興味がある方は少額で投資を実践すると良いでしょう。

明確な正解が無い以上は、自分が心地良いと感じる範疇において、自分が正しいと感じているやり方でコツコツと経験を積み上げていくのがおすすめです。

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